なぜ、食前・食間・食後というような服用時間の指示があるのでしょうか。
「食前(しょくぜん)」とは、食事の20~30分前のことです。胃の調子を整える食欲増進薬や、食べた後の吐き気を事前に抑える薬などは、食前にのむと効果があります。
「食後(しょくご)」とは、食事が終わって20~30分後までをいいます。のみ薬のなかでもっとも多くみられるタイプです。
食べ物と一緒のほうが吸収がよくなる薬や、胃が空の時にのむと胃を荒らす薬などが食後にのむ薬になります。
もし、なんらかの理由で食事ができなかった時でも、せめて、クラッカーなどを1枚食べるだけでも食後に近い状態となり、胃の保護につながります。
のみ忘れしそうな人は食事の直後でもかまいません。特に消化薬は食直後にのむと効果があります。
「食間(しょくかん)」とは、食事と次の食事のあいだ、それも食後2時間ぐらいたってからのことです。そのころになると、前に食べた物が消化され、胃の中の食べ物が少なくなります。食間にのむよう指示された薬は、空腹の時の方が吸収が良いものです。
一方、空の胃が胃酸で刺激されるのを防ぐための薬も食間にのみます。
このように、食前・食間・食後には、それぞれにきちんとした意味があります。
決められた服用時間を守ることは、薬の効果と安全性のうえからも、重要なことなのです。
(日本製薬工業協会 JPMA ホームページより)